2021/12/7 このブログのこと

このブログが意外と読まれていることを知った。

 

実は学生時代から時々書いていたけれど、特に大きくは宣伝もせず、Twitterのプロフィールのところにリンクだけ貼り付けて、「気がついたやつだけ読めば良い」、「どうせ愚痴や泣き言の吹き溜まりだ、自分語りだけしてやる」という思いで気ままに書いていた。ちょうど人の視線ばかり気にして、自分の発言や考えにも自信が持てなくなっていた頃だった。



当時の俺はものすごく好きな人(人生でここまで人を好きになったことはなかった)に見向きもされなかったことがきっかけで自暴自棄になっていた。一人で大衆居酒屋で酒を飲んでは涙し、tinderを入れてとにかく女性に会ったり、会っても女性を傷つけるようなことをして、結局勝手に自分もすり減って、時には性風俗に行き本当の名前も知らない誰かに自分を慰めてもらったり、深夜の公園で一人缶チューハイ片手に頭を抱えたりしていた。

 

あの子がいなかった。

 

唯一俺の弱いところまで、それこそ親も先生も友達もが認めてくれないところまで全部肯定してくれたあの子がどこにもいなかった。

 

バンドも活動休止していて俺も就活生だった。就活をしても嘘くさいことを言う他人を心の底では馬鹿にしつつ、いざ面接にもなればファミリーレストランのアルバイトで身につけた「人に好印象を与えるスマイル」を本当の自分の上に貼り付けて、馬鹿にしていたはずの他の就活生よりももっと嘘みたいな志望動機を言って面接官を喜ばせていた。自分が嫌いだった。そして散々自分をすり減らして、自分とこの国で真っ当に生きている人たちとのギャップに絶望した。どれだけ真似をして背筋を伸ばして自分を取り繕ったところで彼らのようにはなれないような気がした。嘘だけがうまくなって、あの子はやっぱりどこにもいなくて、でもあの子がいなくても自分は虚構の自分を取り繕って世界に馴染んでいた。そんな自分が惨めでその惨めさには底がなかった。

 

そしてlittleという曲を書いた。あの子が俺のことを必要としていたとき、俺はあの子のことを考えて誰よりも優しくて頼りになる人であるように見せて、本当は、本当はただただ自信が無くて弱い自分をあの子に肯定してもらいたかっただけなのだろうな、とやっと気がついた。あの子が今は幸せであってほしいと心の底から思う。

 

音楽をやっても上手くいかず、自分と他の同年代との間に開いていく差にただただ焦っていた。それでもライブ、ライブ、ライブで上手くいかない日に落ち込んだり、ただ勢いでやって後で映像を見ては「失敗した、、、」と思ったりの繰り返し。結局また逃げ場所を探して、逃げ場所なんか無くて、ストロングゼロを片手に津田沼駅北口のベンチに座って駅から出てくる人や星一つ見えない空を眺めていた。

 

どこにも行けなかった。荒れた生活が続いた。

 

そしてコロナが蔓延し出した2020年3月、音楽家が音を鳴らすのをやめて、街から人が消えるのとちょうど同じ時期に俺は倒れた。体重が10kg以上落ちていた。友達にも後輩にも心配されていた。医者からは下手すれば入院と言われた。ライブもキャンセルをして1か月近くの療養。なんとか入院はせずに済んだが下がらない熱と、消えない寒気と、全身の痛み。そして真冬にも関わらず大量の汗をかいて朝方に起きる日々。随分と軽くなった体をわずかに起こして感染者の増減を教えるニュースを一人見ていた。

 

ギリギリで体調が復活して何とか社会人になれたものの、バンド含め音楽活動はコロナもあり活動できなかった。しかし、2020年6月頃にSound Stream sakuraの店長シラハタさんからの連絡があり、慎重に俺は音を鳴らし始めた。そしてコロナと仕事と音楽をうまく両立させながらここまでやってきた。改めて俺に一番あっているのは音楽だな、と再認識した。そしてその音楽は佐倉の街から発信していきたいという思いにも気づき始めている。

 

この数年は「人生山あり谷あり」の谷なのかどうかもわからない。もっと大きな谷は来るような気がする。しかし、きっといつか大きな山が来ると信じている。そしてその時は誰かのことを、出来るだけ沢山の誰かを、肯定するような人間でありたい。

 

最後に、この話は美談ではないし、もしこれを読んだ人が俺のことを見損なってしまったとしてもしょうがない(し、それが普通だと思う)。でも今の俺は少しづつ嫌われることも厭わなくなってきた。ここまで自分を晒す勇気もできた。今は誰かを嫌うのではなく出来るだけたくさんの人を好きになりたい。

 

俺にこの数年そんな勇気を与え続けてくれているアーティストの曲。

この二人がいなかったら今の俺はいない。

 

youtu.be

 

乱文すみませんでした。読んでくれた人、仲良くしてくれている人たちどうもありがとう。