俺の住んでいた街は眠る街であるように、東京が眠らない街だった。総武線の車内で方言が聞こえてくることは無かった。車窓に映るのは田んぼでは無かった。間違いなく千葉にいた。たった4時間で異世界を渡り歩いたかのような気分だった。
クロガネさんと落ちあってラーメンを食べた。急な誘いに応えてくれて本当に嬉しかった。車の中で明日のライブの話や、出張先での生活の話、もちろん色んなバンドの話をした。車で俺の実家の前まで送ってもらった。
久々の実家は風呂と洗面台は別だし、お湯と水を混ぜて使う必要もないし、台所は広くて最高だった。住む街と環境はこれからは自分で選びたい。気がつけば眠っていた。