2022/8/8

車通りは普段より少なかった。会社の席もちらほら空席があった。夏休みだ。虫の鳴き声が聞こえる午後2時の秋田の山々はどこか切なくて美しかった。どうしてだろうか。夏だけが始まった瞬間に季節の終わりを意識してしまう。蝉の一生が短いから終わりを考えてしまうのか、暑さで頭がやられているのか。それとも間違いを繰り返した過去が俺を急き立てるのか、それとも。それとも。考えれば考えるほど終わりに近づいている気がする夏。誰かが始まりの合図を出したわけでもないのに、気がつけば始まっていて、始まればすぐに終わりが一歩ずつ歩んでくるのを意識せざるを得ない。逃げ道はないのだ。

 

 

明日は千葉に帰る。