2022/8/7 ラジオに出て仕組みに気がついた日

10時頃起床。家を出るには少しの余裕があり、紅茶を沸かして飲むことが出来た。熱い紅茶を冷ましながら飲むのが好きだ。あの時間は余計なことを考えなくて済む。紅茶を冷まして飲むことにだけ集中すれば良い。生姜と龍角散と蜂蜜を溶かして飲んだ。夏だったので流石に汗ばんだ。シャワーを浴びてからギター片手に慌ただしく家を出た。

 

 

家からfmはなびのスタジオは車で5分程度だった。初めて入るラジオのスタジオ。ラジオを初めて聴いたのは中学生の頃。小さな災害用ラジオのアンテナをできるだけ長く窓の方まで伸ばして、「ゆずのオールナイトニッポンGOLD」や「オードリーのオールナイトニッポン」を聴いていた。テレビが無い俺の部屋に存在した唯一の娯楽だった。垣花正さんとゆずのお二人の絡みでグダグダになってまともにコーナーがやれない回、そしてオードリーの春日さんが下ネタで普段より饒舌になる回が好きだった。今は当時ほど沢山聞かないが必ず生活のどこかにラジオが有った。最近では家事をするときにタイムフリーで深夜ラジオを流している。

 

 

サウンドチェックが終わってすぐに本番がスタート。俺の手元には特に台本は無く、全て"アンレーブ"の店長であり番組のパーソナリティでもあるデニーロ大友さんが俺に話を振る形で放送は進んだ。踏み込んだことを聞くかも!と脅されていたが、答えやすい質問がほとんどだった。上手く振る舞えたかどうか不安(正答を間違えた場面はあったと思う)だが滞りなく進めることができた。ライブはとにかく熱気がすごかった。ラジオブース故にどうしても熱気が篭ってしまうので、水分を事前にたくさん摂っておいてよかった。朝に紅茶を飲んで正解だった。自信のある2曲だけをやったので誰か一人でも興味を持ってくれていたら、と思う。

 

 

ライブの後もデニーロ大友さんの計らいでコーナーを前倒ししてくれた。夢のような時間。ラジオを聴いている人にどう思われていたのか気になる。新参者が番組にしれっと参加して良いのか。番組のファンは大丈夫なのか。しかしながら大友さんの粋な計らいに感謝。そして対応してくれた局長の福原さん、そしてアシスタントのTOMOさんにも感謝。時間ギリギリまで宣伝させてもらった。どうにか8/27の集客に繋がれば良いが。

 

 

このブログを読んでいる関東の先輩や友達に「秋田に行っても精力的に動いてて偉い」と褒めてくれる方がいる。それはすごく嬉しいのだが、俺自身は精力的に動いていたり何か特別なことをしているつもりは無い。俺が住んでいる大曲は店と店、そして人と人との繋がりが強い街だ。それは学校が少なかったり、どこかに引っ越してきても最終的には戻ってきたり、原因は様々だが、とにかく旧い知り合いや関係性が深く根付いている街だ。アシスタントをしていたTOMOさんも一時期は上京して千葉の方にも顔を出しながら芸能活動をなさっていた様だが、今は秋田を中心に活動している。今日のライブの曲間では何個か店の名前を出した際にも気がついたが、この街の人たちにどこかの店の名前を出せば、半分以上の人にはそのお店がどこにあるのか伝わる。そして店を知っている内の半分はその店の常連だったりする。それくらい狭くて深い関係性がある。俺がこの街に来て唯一やったのは、ご飯とビールを楽しめるお店に行ってマスターに身の上話をしたこと、ライブができるお店にフライヤーを渡して自己紹介したこと、音楽イベントとライブに顔を出してどんなシーンがあるのか研究したこと。たったそれだけだ。しかし、先述の"狭くて深い"関係性によって「何故か千葉出身なのに大曲で音楽活動をしている変な奴がいる」と知り合いから知り合いへ伝わり、いつの間にかライブが決まったり、店のステージで何曲か金曜夜に歌わせてもらったり、まさかのラジオに出させてもらったりが出来ている。全てはこの街の持つ性質が俺をここまで運んできた結果だ。

 

 

俺が最も通っているスナック(ほぼライブハウス)のある通りには他にも2軒お店がある。しかし、3軒とも大きな揉め事もなく、良い関係性を持ってやれている。お客さんの層も綺麗に分かれている。『信頼関係』があるのだ。やたらと街灯の少ないのもお互いを信頼している証拠なのかもしれない。お陰様で晴れてれば満点の星空が見える。

 

 

ラジオを終えた後はイオンモールの中の歯医者に駆け込んで歯軋りの様子を見てもらった。歯は綺麗だが歯茎が傷ついていているとのこと。痛み止めを塗ってもらった。歯医者を出るとさすが日曜の夕方だけあってたくさんの家族連れがいた。若者から老人、老若男女が幅広くいる様に見えた。子供からお年寄りまで住めるのも信頼関係がある結果だろうか。そんなくだらないことを考えながら、サイゼに入ってサラダを頼んだ。届いた冷たいサラダが痛み止めを塗ったはずの左下の歯に鈍く沁みた。