2022/8/28 翌日

「後の祭」という言葉はものすごく不思議だ。所謂「後から思ってもどうにもならないこと」「手遅れ」を指し示すこともあれば、「祭礼の翌日の宴会」を指し示す場合もある。俺はそのどちらでもなかったが、昨日は花火大会なわけで、言ってしまえば祭りだったので本日はその翌日。ほとんど寝れずに9:30には起きていた。街自体は夜のうちに片付け終わったようで普段通りの長閑な日曜だった。昨日とは打って変わって日が差し込む昼時はどうにもこうにも眠気を誘ってくる。昼過ぎに喫茶店に駆け込んでアイスコーヒーとかなり遅めの朝食を食べた。翌日にも関わらず、近くのホテルに泊まったらしき人たちも喫茶店にはちらほらいた。朝食を平らげたあとは、アイスコーヒーを片手に作詞作業。完全には出来上がらなかったが、Cメロを残すくらいまでは完成。店長は「昨日の花火は雨+無風で、職人が本当に可哀想だった」と俺に話してくれた。事実、雨と前に飛んだ花火の煙に隠れてほとんど花火が見えず『審査不能』に終わってしまった企業もあった。帰り際にも「来年以降の晴れてる時にもう一度ちゃんと見て欲しい」と言葉を残す。天候や神様はいつでも残酷だ。昨日どこかで見たてるてる坊主を思い出した。今年は祈りが届かなかったが、どうにか来年は晴れますように。そして、今年のくさのねフェスは晴れますように。

2022/8/27 水が無ければ咲かない

花火ウィークに出演。生憎の雨。俺がステージ立つ前は雨も止んでいたのに、俺がセッティング始めた瞬間に大雨が降った。結果、目の前のベンチ席は当然人がゼロ。ソーシャルディスタンスにしてはかなり距離のあるスタート。声が届くならばせめて、その心の距離だけは縮めたかった。30分間きっちりとやった。最後"平行線"をやる前になって雨が止みだしたのはまさにドラマだった。

 

 

イベントのブッキングをしているRUSHの久保田さんは俺がどんな奴なのかも知らないのに誘ってくれた。花火ウィークは今年で10回目。花火大会自体は3年ぶりの開催。そんな記念すべき日によく誘ってくれましたね、と聞いたら「なんとなくやってくれる気がしたんですよね」と笑った。ライブ後の俺に「出てくれてありがとうございました。」と久保田さんは頭を下げた。お礼を言わなくてはいけないのは俺の方だった。俺も出来るだけ「ありがとうございます」を沢山伝えるようにした。

 

 

16:00ごろ羅漢さんのライブを見た。人が沢山入っていた。羅漢、と大きく書かれたタオルを振り回している人も多かった。すごく聞き取りやすかったし言葉選びも面白かった。何より人の良さが曲からとても伝わってくるライブだった。俺と同じようなMCをしていて驚いてしまった。板の上に立つ人たちが今夜考えていることはみんな一緒だった。

 

 

夜は同僚と合流して花火へ。職場が特別席を用意してくださった(本当にありがたい!)。かなりの雨に降られてカッパを着た状態での鑑賞になった。花火が花開かせる度に、光に遅れて音が腹の底から重く鳴った。後で聞いた話によると爆発音が山に反射するのでこの衝撃が生まれている、とのこと。雨の中、夜空をキャンパスに職人が時間をかけて作った「作品」達が現れては消え、また現れては消えた。花火ひとつ作るのにも莫大なお金がかかる。大きな一発を上げる選択もあれば、所狭しと花火をあげて夜空全体を明るく彩る選択もある。どのタイミングで光を消すか、色を変えるか、動きを変えるか。イメージや発想が表現として現れては消えた。止まない雨の中、時間をかけて作った一発が空に消えていくのを職人達がどう思っていたのだろうか?この街の人たちは3年ぶりの一日をどう見ていたのか?2時間のプログラム中ずっと考えた。体はかなり冷えていたが頭だけはずっと回転していた。

 

 

最後の花火が終わった。川の対岸の職人たちは感謝の意を赤い灯で灯していた。それに対してこちら側の9万人の客が各々の色のペンライトで応えた。言葉は要らなかった。目の前に広がる色とりどりの光が大曲の真実だった。灯人なんて大層な名前でバンドをやっているのに一番暖かいものをもらってしまった。帰り道にフジファブリックは要らなかった。

2022/8/26

他人に嫌われることにビビって素直になりきれない、中途半端な優しさしか振り撒くことができない自分を殺す。殺す。殺す。絶対に殺す。先輩が続々と感染していく。大好きなLOSTAGEの五味さんも感染した。最悪だ。明日は雨。5年ぶりの花火大会らしい。今日も大きな音が聞こえていた。何でもいい、まずはちゃんとやる。

 

 

明日13:20~丸子橋河畔特設会場にて。

www.hanabi-week.com

2022/8/24 手を振る

知り合いの結婚報告。素直に羨ましいと思った。夫婦になると何が変わるのか、今の俺にはわからないし今後もわかる予定はないが、日々移り変わっていく社会で手を取り合える存在がいるのはきっと強みなのだろう。去年『手を振る』という曲を書いた。【失わずに済むものが欲しい】と歌うこの曲は今まで書いてきた中でも一番優しい曲だ。結婚報告を聞いて久しぶりに歌うことを決めた。コードを思い出さなくてはいけないけれど。

2022/8/23 拝啓

一日は気が付くと過ぎていて、仕事をしている8時間を終えればまた次の曜日を迎えていて、その速度に合わせきれないまま季節が移り変わってしまう。半袖は少し涼しいと感じる夜が増えた。今俺が住む秋田は、毎年雪に見舞われて県民のほとんどがスタッドレスタイヤを持っているような土地だ(言い過ぎか?)。ともかく季節の移り変わりは早くて、相変わらずあーでもないこうでもないと頭を抱えているうちに年老いていきそうだ。25歳になっても未だに将来への不安が沢山あるし、自分の「やりたい!」を"見栄"や"世間体"や"正論"に邪魔されている。邪魔されたまま老いていくのか、それともその邪魔を乗り越えられずに朽ちていくのか、それともどこかで折り合いをつけるのか、それとも。考えるだけまた時間が経つ。ソロの曲の『拝啓』には【どうせアラームは鳴り朝になっては愛を探す なんて】という歌詞がある。「案外核心ついているのかもなぁ、ミツハシやるやん。」と日に日に体重が減っていった数年前の自分をたまには褒めてみる。

2022/8/22

美味い定食を食って家でブログを書く。例の如く深夜に大量に予約投稿。これくらいが丁度良いのだ。花火大会が近い。フライヤーを作成に取り掛かろうとして寝落ちしそうな今。まずは洗い物だけしてから考えようと思う。