昨日は家から目と鼻の先にある東邦大学の学園祭へと足を運んだ。東邦大学の出身でもなく、東邦大学に在学していた知り合いは全員卒業してしまっている今、俺が目的としていたのは他でも無くゲストアーティストとして招かれていた「にしな」さんのライブだった。ここ最近はどこに行くにも、何をするにも彼女の曲が近くにあった。あらゆる生活の場所に彼女の曲を置いた。いつかライブが見たい、と思っていた矢先に飛び込んできた東邦大の情報。いつもよりも早起きして、当日券の列に誰よりも早く駆け込んだ。無事に当日券をゲットできた。
1時間しかないライブだったが知っている曲は大体聞けた。"春一番"が個人的ベストアクトだった。大きい規模で"シンガーソングライター"のライブを見るのが初めてで、バンドとの違い(ライブはバンドセットで行われていたが)や、フロントマンとは、といった小難しいことを多く考えた。ライブの作り方、感情の持っていき方、楽曲の振れ幅。良い勉強になった。あと、田島も含めた現メンバーの灯人で立教大学のホールでライブしてみたくなった(俺とカイくんと田島は立教大学のバンドサークルで知り合った)。何歳になっても夢は尽きない。
ライブを終えて外に出ると朝方の急な冷え込みをさらに加速させたような気温だった。秋はどこに行ったのだろうか。秋刀魚をまだ今年は食べていない。学園祭のメインストリートを抜けて大学の外へ出る。自分が大学にいた頃もまともに学園祭に馴染めなかったのを思い出した。にしなさんもMCで言っていたが、学園祭のきっかけで恋愛の一つや二つ、それに限らず青春の1ページを刻むような"何か"をしておきたかった。そんな"何か"はそもそもどこにも無いのかもしれないが。当時と変わらず、学生たちの群れを避けながら一人で校門を潜り抜けた。
今見たライブを自分の中で咀嚼するまで帰りたくなかったので、熱いルイボスティーをお供に街を歩いた。今朝方の雨は止んでいたので歩きやすかった。どこに向かうべきなのか、どこへ向かっていきたいのか。学生の頃も今も同じことばかり考えている。答えを出せず、そして出さなかった未来に立つ今の俺は幸せなのだろうか?こんな俺を見て前髪の長かった俺は幻滅するだろうか?
終わりに近づく2023。
凍えるような冬の先、春一番をただ期待するような生活をしていない。
今年はあと7本ライブをする。